Project File16

会社全体で社会課題に向き合う
実例を踏まえた全社講習会の開催

株式会社J-オイルミルズ

近年、気候変動の進行により、干ばつや洪水などの水リスクが顕在化しています。J-オイルミルズでは、今まで独自に事業における水リスク評価を行っていました。一方で、評価内容や項目は十分か、想定外の自然災害に対しリスクの取りこぼしがないか、海外のグループ工場や主要原料産地のリスク評価をどのように行っていくべきかといった課題を踏まえ対応する必要性も感じていました。

利用サービス
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  • 発信

課題

  • 水リスクに適切に向き合いたい
  • 海外拠点や原料生産地の水リスクを把握したい
  • 社員に水リスク対応の必要性・重要性を共有したい

サポート概要

  • 社内向けに講習会を実施
  • 事業特性や課題感、ニーズを踏まえ、水リスク対応の重要性や把握すべきリスク、他社の取り組みなどを紹介し、水リスクに対する理解を醸成

社内全体で水リスクに向き合いたい

株式会社J-オイルミルズは、食用油を中心とした様々な油脂、油糧製品の製造・販売を行っています。製造拠点は国内沿岸地域に立地していることから、近年多発する自然災害に対し、課題感を感じていました。そのため、水資源に関する専門家である八千代エンジニヤリングとの意見交換を行う中で、水資源は地域性が強く、日本国内であっても自然災害以外のリスクの存在を共有してもらいました。また、当社は海外にグループ拠点があるため、海外拠点の水リスクへの対応や、原料のほとんどを海外に依存することから、サプライチェーン上のリスクも適切に把握する必要性があります。一方で、油を扱ってきた企業ということもあり、「水資源」や「水リスク」に対する社員の認識には差があり、水リスクを自社の課題と必ずしも関連付けられていない状況でした。そこで、毎年社内で開催している環境セミナーにおいて、水リスクをテーマとした講習会を開催し、社内全体で水リスクに対する共通認識を持ちたいと考え、八千代エンジニヤリングに講師を依頼しました。

ニーズを踏まえた講演内容で社員の認識を醸成

八千代エンジニヤリングとは、事前の打合せでの当社の課題感や要望、社員の水リスクへの認知度等をヒアリングいただき、資料構成に反映してもらいました。具体的には、水リスクの概論を気候変動と絡めてご説明いただいたほか、水に向き合う際の基本的概念であるWater Stewardshipや、企業が水に関する拠点の目標を設定するためのガイドラインであるContext-Based Water Targetといった水リスクに関する最新情報、他社の取り組みの事例を複数紹介いただけたことで、社員も水リスクに対して取り組みを進めなければいけないという意識向上につながりました。また、自社のバリューチェーンに紐づけて水リスクを解説いただいたことで、より水リスクを自分事化することにつながりました。

講習会は新型コロナウィルス対策として、対面ではなく急遽オンライン開催となりましたが、オンライン形式で録画も含め全国から700名以上の参加があり、盛況な講習会となりました。事後アンケートでも、「気候変動と水という難しいテーマにも関わらず、身近な課題として捉えることができた」と大変好評でした。
今回の講習会での学びを踏まえ、水資源を守ることは持続可能な事業に不可欠と認識し、今後も生産拠点での気候変動に伴う水リスク調査の実施、水使用の効率化など目標に向け取り組みを進めたいと考えています。

株式会社J-オイルミルズ

日本の製油業界を長年作り上げてきた製油大手の3社(味の素製油、ホーネンコーポレーション、吉原製油)が2004年に合併しできた会社。「Joy for Life®」をコーポレートビジョンとして、これまでの油脂、油糧製品の製造・販売を通じて培ってきた技術力や提案力、人財を活かし、日々の事業活動を通じて、高い付加価値を持った商品・サービスを提供する事で、人々の生活においしさやうれしさを提供することを目指している。

https://www.j-oil.com/

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